もしあなたがパソコン上で下書きから完成までの絵を描こうとしているのなら、
ペンタブレットという道具は遅かれ早かれ「必須」になってくると思います。
マウスのみで描く古典的な方法は2つあり、1つは下絵を「スキャナー」でパソコンに読み取り、
着色をある程度の範囲(ブロックごとに)で行うというものです。
この方法では下絵を鉛筆やシャーペンなどの薄い線ではなく、濃い鮮明なペンで描いておく必要があります。
ある程度、アナログの道具を使いこなせる人には向いていますが、ミリペンやつけペンに触れたことすらない人には
かなり難しいといえます。紙とペンで「完全な」下絵を描かなければならないからです。
もう1つの方法は、絵を描くソフトの機能である「ベジェ曲線」を利用するというものです。
これは手書きでは難しい長い曲線や、一定のパターンを持つ形状をいくつも描くことに便利です。
しかしベジェ曲線というのは紙にペンで描くような操作ではなく、「始点」と「終点」を指定し、
カーブの「向き」や「曲がり具合」を見ながら1本ずつ調整しなければなりません。
直感的な操作とは少し違うし、タクトを振るような感覚ではまったく線にならないため、
「絵を描く」というよりは、やや数学的に、ベクトルを操るといったほうが適切です。
このようにマウスのみでも描くことは可能でも、ペンによるものとは操作も感覚もまるで違うので、
「パソコンで絵を描く」といえば原則的に「ペンタブレット必須」と考えてください。
よく「モニターのサイズに合わせて選ぶ」といわれていますが、それは間違いです。
大きいモニターほど大きいサイズが必要というのは完璧に間違っています。
そもそもデジタルで扱う画像は表示の拡大・縮小が可能であり、手元のタブレットと実際の画像のサイズは
1:1の対応関係にあるわけではないため、タブレットがいくら大きくても手を動かす距離に違いはないからです。
今どきのペイントソフトには「手ぶれ補正」が搭載されていますから、わざわざ手を大きく動かさなくても
きれいな描画が可能であり、むしろストロークが長いとそれが線のぶれにつながってしまうのです。
IntuosのLarge以上のサイズではちょっとした線を引くのにも長いストロークが必要となり、
ゆっくり引けば線がぶれるし、早く引けば正確に止めることが難しくなってしまいます。
このような場合、タブレットのプロパティの操作エリアを狭くすることで解決するはずです。
指先の小さな動きでもポインタは大きく動くようになり、最初は扱いにくいと感じるかもしれませんが、
その小さな動きを丁寧にすると、大きく動かしていたときよりも明らかに線がきれいで、正確に引けることがわかると思います。
モニターが17~21インチならSmallでいいかもしれず、それ以上でもMedium、デュアルモニターならLargeで
2つのモニターを行き来できるマッピングにするといいはずです。