
事前情報で「ドライバーレスのスタンドアローン動作」という観点からUAC1.0の可能性が浮上していたARC ON EARでしたが、いざWindows11にUSB接続するとUAC2.0であることが発覚。
絶望的な展開が待ち構えているのかとびくびくしながら再生すると、1日中聞いていても音飛びが確認できませんでした。完全に安定動作しています。
ということはUAC2.0が音飛びの直接の原因ではなく、DACかUSBレシーバーチップかデバイスの設計そのものに問題がありそう。
今のところ有力なのが
Cirrus Logic製のDACで音飛びするという説。
ESS SABREでは起こっていない。
ARC ON EARは音飛びしないことを含めて非常にいいデバイスだとわかったので、詳細は
レビューを見てもらうとして、欠点だけを簡潔にまとめます。
デバイスの電源がPCと連動しないため、シャットダウン後は手動で電源ボタンをOFFにしなけばならない。さもないとバッテリーを消費し続けることになるwwwこれだけどうにかならなかったのかというww
少なくとも現時点での最新ファームウェアバージョン1.2.0では、電源が接続先と連動する機能や、「オートパワーオフ」的な機能がありません。
「Auto - Standby」という項目は、「無音状態が一定時間続くと本体のLEDランプを減光するだけ」の通常運転であり、常にバッテリーを消費してしまいます。減少のペースから見て一晩で充電が底を尽きます。何も再生していないのにこれはまずいです。放置厳禁。
これが大した問題にならないのは、ARC ON EARは据え置きで使用するのが前提のデバイスではなく、基本的に持ち運んでどこででも “スタジオにいるかのようなモニタリング環境” を構築することを狙いとしているからです。必要に応じて電源をON/OFFするのがいわば当然で、デスクトップに放置したままにはしないのです。
マザーボード側(BIOS/UEFI)で
「ErP」を無効にすれば、シャットダウン後もPCに接続されたUSB機器への給電が行われるため、バッテリーを消費し続ける状況は避けることができます。
電源のボタンを操作し忘れる人は、この方法が安心です。
欠点といえる欠点はこれだけ。
サウンドカードやゲーミングオーディオにはこれまでずっと手を焼かされてきたので、欠点の少ないデバイスは驚異的といってもいいです。

有象無象オーディオデバイスと違ってソフトウェアへの依存度が低く、文字通り「スタンドアローン」の運用が可能というのが強いです。
アプリをインストールするとOSのタスクに「常駐」し、他のソフトとのコンフリクトやリソースの異常消費が問題になる製品が多いのですが、ARC ON EARのアプリはただ本体の設定をするためだけに使用され、常駐したりスタートアップに登録されたりしません。ファームウェアの更新やリセットも簡単に行うことができ、UIは現時点で英語しかありませんが、直感的に理解できるので特に困りません。
常駐ソフトがなければ何もできないデバイスがある一方で、設定を済ませたら基本的にソフトが不要となるデバイスがあるんです。
後者のほうがハードウェアとしての完成度が高いといえるし、トラブルも起こりにくいのでいいですよね。
詳しく書くとキリがないので省きますが、ARC ON EARのDSPは優秀で、よくあるEQ(イコライザー)やバーチャルサラウンドなどの「エフェクト」とは異なる、「補正」に重きを置いた設計になっており、ヘッドホンを解析して得られたデータを基に位相の乱れや同期のズレを物理的に整える処理を行います。
味付けや脚色とは目的も働きも異なるので、これは個人的にちょっと驚いていますw
「ずらすのがエフェクト、ずれを直すのが位相補正」という説明はわかりやすい。逆なんです。エフェクトというのは本来の音をずらすもので、位相補正というのはもともとずれているものを直す。ちょうど眼鏡やコンタクトレンズで視力を光学的に補正するのに似ています。

細かいことではあるのですが、
LEDが暖色系というか暖色そのもののオレンジ色というのが夜間でも目に優しい。これが青や緑系のLEDだとまぶしいんですよね。
オゥレンヂは目に刺さるような不快感がまったくありません。往年のトンネルやナトリウム灯のような光。
ARC ON EARのバッテリーが満充電になると、本体背面の電源ボタン横の白色LEDが消灯します。背面で光っているだけなので正面からは光源が視界に入らず、まぶしくありません。
もちろんこの手のモバイル・ポータブル製品にはバッテリーへの過充電保護回路が実装されているので、いちいちUSBケーブルを抜かなくても大丈夫です。
IK Multimedia(アイケーマルチメディア)
2025-10-28
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