マナビノギ

マビノギハァンタジーライフ

ATH-R70xa



8chオフ会でペンタブより気になっていたプロフェッショナルオープンバックリファレンスヘッドホンATH-R70xaは本当に軽くて快適、そして周りの音が筒抜けという理想的なヘッドホンでした。

イヤホンはもとより密閉型のヘッドホンは遮音性の高さが売りなのですが、密閉型・開放型というのはドライバーの構造の分類であって主観的な “密閉感” や “開放感” を示しているものではないことが肝心です。

音楽を聴く目的ではなく、周りの音を聞いたり呼びかけに応じたりするのに好都合なのと、「モニターヘッドホン」というものを一つくらい持っておきたかったのです。

ATH-R70xaは「リファレンス」ということもあって音場は広くもないし狭くもなく、非常に自然な聴取のできるチューニングになっています。
このヘッドホンの音場を広いとレビューしている人は、期待と先入観に引きずられているのだと思います。

「スピーカーで聞いているようなサウンド」というのも言い過ぎです。


そもそも尖った特性や個性があったら「リファレンス」になりませんからね…

「自然で正確かつ快適」というのがリファレンスヘッドホンの大前提ですから、「正確なサウンドステージ」ではあっても「広大な音場が心地いい」というのは誤解を招きます。
それはリファレンスではなくリスニング寄りにチューニングされたヘッドホンです。




オーディオのエンジニア・本職のサウンドデザイナーも現場で周りの音を聞いたり、スタッフと会話したりするのに開放型ヘッドホンを愛用し、また密閉型に比べてフラットな周波数特性と長時間の使用でも疲れにくいという観点から推奨しているという事実があります。
上記の長年サウンドに携わっているエンジニアはゼンハイザーのHD600という開放型ヘッドホンを推しており、それはkkeikも欲しがっています。

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オープンバックリファレンス

45mmの大きなドライバーを搭載していながら199gしかない軽量なヘッドホン。

あらゆるパーツが細くて薄いので衝撃だけでなく圧迫や摩擦でも変形してしまいそうです。
 
開放型ヘッドホンはハウジングの通気が “命” ですから、このハニカムアルミニウムパンチングメッシュを手で押さえるなどしてふさぐと音質に大きく影響します。
写真で見るよりも安っぽくて貧弱なので…くれぐれも圧迫で凹ませないように…

特に小さいお子様はこういうものを見ると指で押したくなるみたいなので目を離さないでねwww


薄く細いハウジング

とても細くて薄いでしょう。

軽量化に全振りした設計なのでマジで取扱注意。
MADE IN JAPAN

絶滅に瀕している貴重なMADE IN JAPAN。

今や日本製というだけで珍しいです。
話題のネタにはなります。




両出しケーブル

今どき業務用でもあまり見かけない「両出し」のケーブル。


ケーブルに左右の区別がなく、どちらを差してもステレオを正しく再生できるようになっています。
挿し込んでクイッと時計回りにひねるとロックされます。

イヤホンのリケーブルに慣れていると、ケーブルにLRの表記がないことに困惑するかもしれませんw

どちらを差しても大丈夫です!




ヘッドバンド

ぺらっぺらのヘッドパッドですが十分な幅があり、軽量さも相まってほとんど重さや圧迫を感じません。

ヘッドバンドの穴に通して折り返すと磁石で貼り付く構造になっています。





イヤーパッド

円形のベロア調イヤーパッドにはあまり厚みはありませんが、ヘッドホン自体の側圧が弱く、そっと挟むだけなので耳たぶが接触するようなことはないですね。
耳の形状には個人差があるため、もしかしたら痛くなるかもしれません。

私は長時間つけていてもまったく違和感がありませんでした。
寒い日には部屋でもニット帽をかぶって生活しているのですが、それとほとんど変わらない感覚です。
ニット帽の上からヘッドホンをつけても問題なく使用できます。

眼鏡をかけていても快適。まじ快適。


またイヤーパッドとヘッドパッドは保守部品として販売されているので、よくあるヘッドホンのような「高級品を買ってもヘッドバンドがだめになって買い替える…」という心配はありません。



さてATH-R70xaは「モニターヘッドホン」と呼ばれ、そういう位置づけになっているはず……なのですが…



公式サイトの製品ページを見るとタイトルに書いてあるだけで、本文には「モニターヘッドホン」という文言が一度も出てこないのです。

むしろ「リファレンスヘッドホン」という独自の定義を推しています。

R70xaの「R」はリファレンス(Reference)のRです。

「モニターヘッドホン」にはATH-M70xという機種やラインナップがあって…MonitorのMですね。



このヘッドホンの物理的な取り扱い以外に注意すべきところは、ドライバーのインピーダンスが大きいということでしょう。
470Ωというのはかなり「鳴らしにくい」ヘッドホンといえます。


イヤホンに比べてドライバーが巨大なので、イヤホンでは十分な音量を得られるデバイスであっても、R70xaは音が小さすぎる場合があるかもしれません。

特別オーディオを意識したデバイスでなければ音量不足に悩まされる可能性があります。



といっても一般的な “ホームユース” としては、

3mものケーブル

ケーブルが3mと非常に長いことにも注意が必要です。

このように卓上のヘッドホンアンプではケーブルの長さがあまってしまい、束ねておかないと邪魔で仕方ありませんwwww


逆にいえば、パソコン背面のヘッドホン端子に余裕で届くので扱いやすいということでもあります。
「延長ケーブル」を経由せずに直接リアパネルの端子に挿すことができれば、クロストークを悪化させずに本来の音質で聞けますよ。


パソコンのオンボードサウンドはALC1220でもALC897でも音量自体はデカいので問題ないと思います。
ただ……特に安価なマザーボードに搭載されていることの多いALC897は音質に不満が出てくるかもしれません。

音量はかなり大きくできるのですが、音のディテールや奥行きが浅くて立体感が損なわれているからです。

これに関しては前回の8chオフでレクイとは詳しく話したつもりです。
ヘッドホンアンプよりも外付けのDACを導入したほうがいいとw



………



ここまではマビノギとは関係のない一般的なレビューになりました。

マビノギはサウンドの重要性が低いというか、ゲームシステムにおいてサウンドを聞き分けられる優位性のある場面がほとんどありません。




マス音楽ダンジョンくらいか…?




クライアントの64bit対応アップデートで交易および追跡中の略奪団の心音が改悪され、傾聴してもほとんど意味をなさなくなったのは痛い。
略奪団のシンボルにある程度接近すると心音が中央に定位するようになり、モノラルになってしまって音を聞いているだけでは方角と距離を判断できず、回避できなくなった。

どんな再生デバイスでも同じ。マビ側の問題だからw



ゲーム用には麻婆豆腐とBravery'24という優秀なIEM(インナーイヤーモニター)を持っているので、正直ATH-R70xaにはアドバンテージを求めていませんでした。

本当に “単なるリファレンス” 以外の何物でもないヘッドホンですので、サウンドの作り手の意図した通りに聴くことができる──ただそれだけです。


DRAMA IRIAのころから思っていた、マビノギのBGMは音量がデカすぎる問題

音量がデカいだけならボリュームを下げれば済むのですが、音源そのものが圧縮されたダイナミックレンジのためにとにかくやかましいんですよねw


フェスティアやマグメルのBGMがデカすぎるうえにループされることに不快感を覚える人は多いでしょう。


開放型ヘッドホンの “イメージ” からさぞかし「高音が刺さる」と思われるかもしれません。

おぉ…!

実際にATH-R70xaでそのやかましい音楽を聴いてみると……


自然で正確で快適ってこういうことなのか!


あえて「モニターヘッドホン」とは推していない理由もわかる気がしました。


非常に自然で味付けがなく、“分析的過ぎない” 音なんですよ。

モニターヘッドホンというと「音を一つ一つ追いかける」とか「音の粒が見える」「音の輪郭が立っている」といった評価で選びがちですが、それはよくも悪くも味付けがされており、「自然」とはいいがたいものです。

実際そういう傾向のイヤホン・ヘッドホンは「聞き疲れ」しやすく、長時間の使用でも快適であるとはお世辞にもいえません。
評価は高くても実際の運用では……というところがあるんです。


フィニーブルーミングをケージに仕込むサウンドと、フィニーブルーミングを完了させるサウンドはなかなか対極ですが、仕込むときの「シャンシャンシャン」という高音も、完了させるときの「ヴヴヴッ…」という低音も非常に自然に聞こえますね。

味付けのあるヘッドホンだといずれか、または両方の音域がかなり誇張されて聞こえるはずです。




ATH-R70xaは「モニターヘッドホン」としては最適解ではなさそうですが、本当に味付けのないサウンドを聴取する目的を叶えられるリファレンスヘッドホンとしてはほとんど唯一無二といえるのではないでしょうか。

ゼンハイザーやソニーの定番モニターヘッドホンはもう何度も試聴してみましたが、重厚さやパンチ感があったり、側圧の強さや独特のフィッティングが頭部に上手く合わなかったりなどの欠点があります。



心配していた「音漏れ」も実際には大してありません。
これなら家族が隣で寝ていてもほとんど問題ないです。

開放型ヘッドホンの音漏れは大げさにレビューされているのでしょうね。

周りに聞こえるほど音が漏れるのは危険なレベルの大音量なので、ヘッドホンの構造ではなく聴力の異常を疑ったほうがいいです。

密閉型よりも音が漏れるのは事実ですが、「盛大な音漏れ」は言い過ぎです。




周りの音を聞くことができるという点と、とりあえず一番新しい製品(2025年2月14日発売)ということでATH-R70xaを選んでみましたが、よくも悪くも「リファレンス」であることがよくわかる逸品でした。

作業中に仕方なく使用するつもりのヘッドホンが、メインにしたほうが好都合な場面もあって困惑していますwwww
IEM(イヤホン)よりも着脱が容易なのも大きいですね。

サブベースから超高音までフラットで自然に再生されます。
どの音域も聴感的には魅力がなく、カジュアルユースとしては両出しのケーブルがダサいかもしれません。

正直に書いてしまいますが、ATH-R70xaを使ったからといってFPSゲームの索敵で有利になるということはないと思います。
FPSのように音源がリアルタイムに動いているゲームの場合、開放型ヘッドホンでは追従性が悪いのか、素早く視点を移動しているシーンで反応が一瞬遅れてしまう場面が多々あります。これは盲点;
麻婆豆腐やBravery'24のほうがはるかに優れています。

移動しつつある音源を正確に再生するには、やはり密閉型のドライバーに分があるようですね。

左右で約20cm離れている人間の耳は、秒速340mの音速に対して0.6ミリ秒未満の遅延を認識する構造になっており、左右に到達する音のわずかな時間差によってもたらされる「波形の違い」から音源の位置を判断できるようになっています。

開放型ヘッドホンは密閉型に比べて左右のサウンドを分離することが原理的にできず、逆位相の音が混じってしまうためにその処理が上手くいかなくなるのかもしれません。スピーカーではもっと顕著です。



ただ耳をふさがないので実況はしやすいです。これは人によってはかなり重要かも?

密閉型やIEMに比べると話しやすさが段違いにいいですよ。
開放型ヘッドホンの真骨頂はこれかもしれませんね。


「着けていることを忘れる感覚」というのは決して言い過ぎではない!
実際にヘッドホンを着けたまま席を立とうとしてケーブルを引っ張ってしまうことがあるwwww


繰り返しになりますが「リファレンスヘッドホン」ということなので音質は「いい」とは思わないし、ぶっちゃけ私の「好み」でもありません。
あくまでATH-R70xaをリファレンス “として” 運用する場合に、これが自然で正確な音であるということでしかないのです。

とにかくモニターヘッドホンを一つ持っておけば、さまざまな「音」の基準とみなすことができるので好都合です。




グローバル市場では日本製はもはや虫の息に近い中でMADE IN JAPANであり、それだけでも価値があるように感じられるのではないでしょうか。

どこで生産していようが実際の品質がどうであるかがすべてではありますが……



聴覚に問題を抱えた人のレビューも多く、特に海外のサイトを見て “ネット de 真実” に陥り鬼の首を取ったように批判する人が目立つなど、オーディオはとにかく情報に振り回されがちです。
ましてや商品提供されたレビューなどあてになりません。
オーディオはカモにされやすく、沼と呼ばれるのはそういうことなんです。

どのような評価であれ「最終的に自分の耳で聞いている音」がヘッドホンの本質ですから、他人の判断や格付けにあまり気を取られないようにしてくださいね。

ネット上の「自称プロ」の意見なんてバイアスの塊であることがほとんどだから話半分に聞きましょう。私を含めて。

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この記事へのコメント

0 フンイキー 2021年00月00日 --:-- ID:manabinogi
私はフンイキー!ただのムードメーカーよ!
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