Windowsは標準で「SBC」と「AAC」というBluetoothコーデックをサポートしているのですが、
90から1000ミリ秒の遅延をともなう規格であり、おそらくほとんどの人が遅延を感じることになってしまいます。
「aptX」という規格でAACの半分くらい、「aptX Adaptive」でそれよりさらに遅延が小さくはなりますが、Bluetoothオーディオは音質よりも遅延の大きさがネックになっています。
コーデックだけでなく機種によっても遅延の差は大きいようです。
またこの点については「もともとワイヤレスの遅延に慣れている人」と「長らく有線のレスポンスの早さを当たり前だと思っている人」では根本的に認識が違うかもしれません。
「ワイヤレスなのに遅延がない」といわれるのは、Bluetoothとは異なる通信を行うための
専用USBドングルを介して接続するイヤホンやゲーミングヘッドセットです。
同じように電波でアレするもののように見えるのですがBluetoothとは互換性がなく、USBドングルは製品ごとにユニークな設計となっているため使い回すこともできません。
Bluetoothは「音質が悪い」「安定しない」「遅延が大きい」と昔から言われていますが、現在では「遅延」以外の問題はほとんど解決していると感じます。
ただ依然として「電子レンジを使用」したり、街中など「人口密集地」へ出かけたりすると、電波の周波数帯域が干渉する都合で接続が不安定になる問題はありますが……
「音質が悪い」のはBluetoothの規格というより、機器の中身に使われている回路や設計に問題があるところが大きいです。
音質に関しては本当にめざましく進化していて、(価格も比例して高くなってはいますが)小さなイヤホンでもアナログの回路に高価な部品を使ったり、据え置き型のDACやアンプもICチップではなく独立したトランジスターや抵抗を組み込むなどの手間をかけることによって高音質化を実現しました。
……ようするにコストをかければいくらでもよくなる部分があったということです。
パソコンのBluetoothドライバーは比較的アップデートの頻度が高くなっています。
多くは脆弱性の対応やサポート製品の追加のようですが、目に見えないバグは修正されています。
大きな変更を伴うパッチの場合、このようにアップデートに際して注意事項があります。
いったんすべてのBluetoothデバイスのペアリングを解除してから、更新ファイルを実行しなければなりません。
……リリースノートを見ても具体的に何がどう変わったのか明記されていないため、更新が眉唾なものにも感じられますが……
よほどのことがなければ
Windows Updateが最適なドライバーを自動的に、しかるべき時期にインストールする仕組みになっているので、特にユーザー側で対処することはありません。
なおWindowsが再起動を要求するタイミングはいつも悪い。
デスクトップオーディオでも据え置き型のシステムにもかかわらず「ワイヤレス推し」を見かけることが多くなりました。
音楽を「聴くだけ」なら遅延は問題にはなりません。
映画やゲームといった「映像に対して音声が遅れるメディア」が問題なのです。現状Bluetoothはどのコーデックでも遅延が気になります。
それなのにワイヤレスをどんどん推してくるというのは……
もうその新しいウェーブに乗れということなのか、
遅延を許容できる余裕を持てということなのでしょう。
あるいは
音の遅延よりも早く動けることを誇りに思う…とか。
いつまでも有線にこだわって
遅延ガーーー音質ガーーーバッテリーガーーー安定性ガーーーと叫ぶことのほうが異常なのかもしれません。
きっとそうです。
むやみに言いたくはないですが、新しいものを拒んで古いものを盲信するのは「老害」そのもの。
古いものがいつまでものさばっていては発展と成長の妨げになり、ゆくゆくは自分の首を絞めることにつながります。
しばらくBluetoothオーディオを使ってみましょう。
実際に経験することで何かがわかるかもしれません。
洗濯物も干し方が悪いと乾かないことがあるように、「単にやり方」の問題なのかもしれないのです。
最近では
DTMもスピーカーやオーディオインターフェースを備えたスタジオではなく、
自室やカフェでラップトップPCの内蔵スピーカーとワイヤレスイヤホンを使って完結させている人がいると聞きます。
私が絵チャを描くのと似ていますね。
……
結局のところ道具や環境は関係なく、技術と情熱さえあればなんでもできるということなの……か…それを私自身が証明していたようなもの……
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