「(^q^)うぃくwwwwwwwwうぃくwwてんすwwwwwwぼくてんすwwwwwww」

午前6時を告げる、いけぬまの目覚まし時計である。


明海「ふう、もう朝か~。あすさんは……」

明海は床に敷かれた布団の周囲を見渡し、あすさんの姿がどこにもないことに気がついた。

明海「あれ……あすさん? どこ??」

布団は何者かに荒らされたかのように乱れており、何かを引きずった跡がカーペットに広がっていた。

その跡を慎重にたどっていく明海。



すると…


その跡は明海のベッドの下に続いていた。



明海「あすさん……」

あすさんは非常に寝相が悪いため、床を転がってベッドの下に入り込んでしまったのである。

明海「あすさん……なるほど……これじゃあベッドで寝られないわけよね……落下しちゃう……」

明海はベッドの下のあすさんにそっと布団をかけた。

明海「あすさん…今夜から寝袋で寝たほうがいいね。それとも体、縛っておこうか? フフッ」
あすさん「……だめだよ……おにーちゃん……」
明海「あらやだ……あすさんが寝言を………どんな夢みてるのかな……」

明海はあすさんの寝顔を携帯電話のカメラで撮影し、待ち受け画面に設定した。

空の様子を見るために窓へ向かう明海。


明海「なーんだ…ぜんぜん積もってないや……」

二重ガラスの窓は断熱効果が高くて結露しにくく、視界が常に良好に保たれる。

外を見ても雪が積もっていないため、明海はがっかりしてしまった。


明海「雪が積もったら、1時限目の牛岡の体育は雪合戦になると思ったのにな~…」

牛岡というのは第1話以来だが、明海に人前で恥をかかせた熱血体育教師のことである。
その名のとおり牛のような体格で、生徒や保護者にも人気のある先生だ。

明海「一時はあいつのせいでトラウマになったけど……。あすさんのおかげで、今は平気だよ……」
あすさん「……うしー……」
明海「あすさんは…お昼まで寝てるかな…」
あすさん「……しかー……」
明海「あすさんと登校できたらいいのにな…」
あすさん「……くまー……」
明海「これから学校で友達を作らないといけないなぁ…」
あすさん「……わにー……」
明海「あすさんのお弁当も作っておくね」
あすさん「……うまー……」



明海の部屋にはキッチンもある。
ロフリオスとは異なり、まともな食材が豊富にそろっている。


明海「あすさんは具の入ってないおにぎりが好きなんだっけ……塩を振って、これでよし、と……」

塩を振っただけの白いご飯をきちんと三角形に握り、弁当箱に詰めていく。

明海「うーん……おかず……どうしようかなぁ……」

あすさんは基本的に食事の手間がかからない。
回転寿司でも100円の皿しか食べない。
デザートはプリンで十分である。

明海「カレー…は…今から作ってたら間に合わないから……適当に玉子焼きでいいや~」

適当である。


明海「あすさ~ん、適当なお弁当だけど、ここに置い……あれ??」

ベッドの下にいたはずのあすさんが消えている。

明海「あすさん??愛妻弁当ですよ~~? 出ておいで~」

どうせどこかに転がっているのだろう──
そう思った明海は、自分のベッドの上に弁当を置こうとした。

明海「えっ! あすさん……」

あすさんはベッドの下ではなく、ベッドの上で寝ていた。
寝相が悪いにもほどがあるのである。

明海「あすさん、お弁当、蹴飛ばさないようにね……。それじゃ、いってきま~す」

明海は部屋から出て、すぐに戻ってきた。

明海「マビのダウンロードの続き、よろしくね! それじゃ!」