樽帝院の町は、標高2000m級の山を開拓して作られた「人工の平地」にある。
もともと険しい山と広大な森林が延々と続く大自然にあったため、
そこに生息していたクマなどの野生動物が現れるのは当然といえる。
もともと険しい山と広大な森林が延々と続く大自然にあったため、
そこに生息していたクマなどの野生動物が現れるのは当然といえる。
明海「っていっても、今は真冬よ? こんな時期にクマが出てくることなんてあるの?」
執事「ここは本来の標高が2000mを超える山地でございます。それを300mまで削って作られた平地なのです。
明海さまのお父さまが錬金術を世の中にお広めになるために、わずか1ヶ月で工事を終わらせられました。
ですが、そのあっという間の工事によって住む場所を失った野生動物たちが無数におります。
また気候も大幅に変わり、真冬といえども以前よりはるかに温かくなりました」
明海「じゃあ、クマが出てくることもある……」
執事「さようでございます……aspirinさまが心配でなりません……今すぐ救助に向かわれますか…」
明海「戦車部隊を」
執事「っは……」
明海「冗談よ。さっきも言ったけど、これはあすさんをテストしているの。あたしが責任を持つからいいの」
執事「…………わかりました」
執事「ここは本来の標高が2000mを超える山地でございます。それを300mまで削って作られた平地なのです。
明海さまのお父さまが錬金術を世の中にお広めになるために、わずか1ヶ月で工事を終わらせられました。
ですが、そのあっという間の工事によって住む場所を失った野生動物たちが無数におります。
また気候も大幅に変わり、真冬といえども以前よりはるかに温かくなりました」
明海「じゃあ、クマが出てくることもある……」
執事「さようでございます……aspirinさまが心配でなりません……今すぐ救助に向かわれますか…」
明海「戦車部隊を」
執事「っは……」
明海「冗談よ。さっきも言ったけど、これはあすさんをテストしているの。あたしが責任を持つからいいの」
執事「…………わかりました」
あすさんはコリブ渓谷を流れる川から清水を飲んで休憩していた。
あすさん「あんな大都市があったかと思うと、少し離れたら今度は大自然が広がっている。
全体的に不自然な地形なんだよなぁ……山のようで、山ではない……」
全体的に不自然な地形なんだよなぁ……山のようで、山ではない……」
あすさん「真冬だけど川には魚が泳いでいるし、食べられそうな木の実もあちこちにある。
それと……蜂の巣が無数にあるようだ……ハチに襲われたりしないだろうか……」
それと……蜂の巣が無数にあるようだ……ハチに襲われたりしないだろうか……」
さすがに採集したての蜂蜜をストレートで飲むことは厳しい。
マビノギではなぜか容器に入った状態の蜂蜜を採集することができるが、
実際には手がべとべとになってしまう。
マビノギではなぜか容器に入った状態の蜂蜜を採集することができるが、
実際には手がべとべとになってしまう。
あすさん「さてと、行くかぁ」
ここで眠ったら凍死してしまう──
まだ耐えられる寒さではあるが、眠ったらさすがのあすさんもアウトである。
まだ耐えられる寒さではあるが、眠ったらさすがのあすさんもアウトである。
あすさん「おお、あの東に見えるのがタルティーンの城壁だな。ここから約2kmといったところか」
ガサガサッ…
あすさん「な、なんだ?」
あすさんの10mほど先を動く黒い影に気がついた。
タルティーンの名物、赤黒クマである。
タルティーンの名物、赤黒クマである。
あすさん「クマ!!??赤黒クマか!?」
赤黒クマ「……グォッ…」
あすさん「そ、そうか……たしかにここには赤黒クマがいる……」
赤黒クマ「グォーッグォーッ…」
あすさん「ええと…これはタゲられてるのか……」
赤黒クマ「グゥァァッ!」
赤黒クマ「……グォッ…」
あすさん「そ、そうか……たしかにここには赤黒クマがいる……」
赤黒クマ「グォーッグォーッ…」
あすさん「ええと…これはタゲられてるのか……」
赤黒クマ「グゥァァッ!」
赤黒クマはあすさんに向かって一直線に突っ込んできた。
そして目の前で急停止した。
そして目の前で急停止した。
あすさん「………これは目前カウンターというやつだな!?」
赤黒クマ「グォーッグォーッ…グァーッ」
あすさん「ならばこれを食らえ! ウィンドミ…」
赤黒クマ「グゥァァッ!」
あすさん「ぎゃ~~~~~~~~」
赤黒クマ「グォーッグォーッ…グァーッ」
あすさん「ならばこれを食らえ! ウィンドミ…」
赤黒クマ「グゥァァッ!」
あすさん「ぎゃ~~~~~~~~」
スマッシュだった。
軽量なあすさんの体は15mも飛ばされ、茂みの中に落ちた。
軽量なあすさんの体は15mも飛ばされ、茂みの中に落ちた。
あすさん「な、なんてパワーだ……私があと10kg重かったら、地面に叩きつけられて死んでいた……」
赤黒クマ「グォーッグォーッ……」
あすさん「話の通じる相手じゃないな……」
赤黒クマ「グォーッグォーッ!!」
あすさん「これを受け取れぃ!!」
赤黒クマ「グォッ!?」
赤黒クマ「グォーッグォーッ……」
あすさん「話の通じる相手じゃないな……」
赤黒クマ「グォーッグォーッ!!」
あすさん「これを受け取れぃ!!」
赤黒クマ「グォッ!?」
あすさんが投げたのは、女子高生からもらった蜂蜜ドリンクであった。
しかしあすさんは投げるのが下手であるため、変な方向に飛んでいった。
小中学校のハンドボール投げでもフォームが悪く、飛距離が出ないばかりか、まっすぐに投げることすらできなかったのである。
しかしあすさんは投げるのが下手であるため、変な方向に飛んでいった。
小中学校のハンドボール投げでもフォームが悪く、飛距離が出ないばかりか、まっすぐに投げることすらできなかったのである。
あすさん「おおおおおい!!!蜂蜜ドリンクのほうを見てくれよ!!」
赤黒クマ「グォーッグォーッ!!」
あすさん「ええい! こっちだ! こっちを見ろ!!」
赤黒クマ「…グォーッ…グァーッ」
あすさん「おまえの好きな蜂蜜だ。これでも飲んどけ!」
赤黒クマ「グゥァァッ!!」
あすさん「味わって飲めよ! 先に行かせてもらうぜ!」
赤黒クマ「グォーッグォーッ!!」
あすさん「ええい! こっちだ! こっちを見ろ!!」
赤黒クマ「…グォーッ…グァーッ」
あすさん「おまえの好きな蜂蜜だ。これでも飲んどけ!」
赤黒クマ「グゥァァッ!!」
あすさん「味わって飲めよ! 先に行かせてもらうぜ!」
♪ε= ε=ヘ( ^ω^)ノ テケテケ
あすさんは2kmを3分で完走し、タルティーンの城壁と思わしきところまで到着した。
あすさん「…はーっはーっはー……スタミナが…そう…あるわけ…じゃ…ない…から………」
ところで、1500m走の世界記録は3分26秒である。
あすさんはそれをはるかに上回る速さで2000mを走り抜けたことになる。
あすさんはそれをはるかに上回る速さで2000mを走り抜けたことになる。
あすさん「…はぁ…もう…これ以上は動けない…………すまない……明海……」
…と、電話でダイイングメッセージを告げようとした瞬間、
「お疲れさま」
あすさん「……あ……」
うつぶせに倒れたあすさんが、やっとの思いで頭を持ち上げてみると、そこには少女が立っていた。
明海「タルティーンへようこそ」
あすさん「あ……明海か……」
明海「予定より2時間も遅れてるわよ」
あすさん「こ……これでも急いだほうなんだ……」
明海「……ま、今日のところは休んでいいから」
あすさん「………そうだ……これからどうする…んだっけ…ぁ……」
明海「あすさんを運んで」
執事「ささ、aspirinさま、寝台でお眠りになってください」
あすさん「…なに…その…霊柩車………」
明海「家についたらあたしの横で爆睡すればいいわ」
あすさん「……………」
執事「……aspirinさま、お察しします……どうか今日のところはお休みください……」
あすさん「あ……明海か……」
明海「予定より2時間も遅れてるわよ」
あすさん「こ……これでも急いだほうなんだ……」
明海「……ま、今日のところは休んでいいから」
あすさん「………そうだ……これからどうする…んだっけ…ぁ……」
明海「あすさんを運んで」
執事「ささ、aspirinさま、寝台でお眠りになってください」
あすさん「…なに…その…霊柩車………」
明海「家についたらあたしの横で爆睡すればいいわ」
あすさん「……………」
執事「……aspirinさま、お察しします……どうか今日のところはお休みください……」