明海「マビノギ福袋2013買った~?」
凛「買ったwwwwwwwwwww」
牛岡「俺も」
明海「あすさんは?」
再び始まった2013年。そこにはマビノギ福袋に一喜一憂する人々の姿があった。
お年玉を持ってコンビニへ行き、電子マネーを買い求める子供たちでにぎわう町。
「お年玉いくらもらった?」
「今年は1万5000円!」
「俺は5万円wwwwwww」
「すごい」
こちらの世界にも正月は存在し、お年玉の金額を競い合う習慣があった。
本来、お年玉というのはもらう側ではなく与える側のほうが「すごい」のであり、
もらった金額を誇ったり自分の手柄にしたりするのは見当違いなのだ。
しかしあすさんにはそんな偉そうなことを言う資格がなかった。
あすさんはこのとき黙ったまま、開封されては消えていくお年玉を眺め、
福袋から期待外れのペットやアイテムが出ていることに痛みを覚えていた。
あすさん「2014年も相変わらず運が悪い…」
明海「なに言ってるのwwwまだ2013年が始まったばかりでしょwwww」
あすさん「?????」
凛「さっき一緒にカウントダウンをしたじゃないですかwwwwwww」
牛岡「ちゃんとスクリーンショットも撮ったぞ」

あすさん「あ、そうか、2013年……でも、あれ……」
明海「あすさん、夜更かししてるから疲れてるんだよ……福袋も期待外れだったし……」
凛「もう寝たほうがいいですよ。疲れて来年の福袋のこと考えてるんじゃないですか?」
牛岡「寝る子は育つっていうからな。あすさんはもう子供じゃないか。ハハッ」
あすさん「いや…今年は2014…………」
あすさんのように何世紀も生き続けている存在にとっては1年の違いなど誤差の範囲。
このときは自分の勘違いということで納得し、そのまま眠りにつくこととなった。
1日は1日であり、1000年は1000年である。
長く生きようが長く死のうが、時間そのものに違いはない。
この日もあすさんは永眠し、日の出とともに目を覚まし、二度寝し、10時ごろ起床した。
あすさん「ほ、ほらっ!!やっぱり2014年じゃないか!!!!」
あすさんは新聞の朝刊や今どきスライド式のガラケーで日付を確認した。
今日びは猫も杓子もスマホであり、画面に話しかけると美少女の声で答えてくれる時代である。
あすさんはWindows XPから新しく7へとアップグレードしたパソコンを立ち上げ、
個性を失ったOperaブラウザを起動した。
あすさん「あれ????ゲームスタートがない……」
これより前にマビノギは起動方式が改悪されており、公式Webサイトへログイン後、
ブラウザからクライアントを起動する必要があった。
IEのみならずOperaの新旧どちらのブラウザでも可能であった。
あすさん「2013年…だと…」
自由掲示板には2013年の幕開けを祝うスレッドが乱立している状況であり、
カウントダウンの実況や神社からの書き込みでにぎわっていた。
それは完全に2013年であった。
かつての起動方式でマビノギを立ち上げると、

いつもと違うログイン画面が現れた。
このクオリティはいったい……
あすさんが迎えた2014年。そしてエリンで過ごした2013年。
1年という時間が巻き戻ったかのような感覚。
IDとパスワードを入力しながらあすさんは昨夜のことを思い出していた。

5分後には2013年が始まる。
もしかすると誰もこの西暦の誤りに気がついていないのではないか。
マビノギが2013年というから2013年になっているのか。
それとも自分だけが勘違いしているのか。
あすさんの脳裏に不安が去来した。
明海「あすさんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!」
凛「(^ω^ ≡ ^ω^)おっおっおっ」
牛岡「臨時メンテはとっくに終わっているぞ」
あすさん「臨時あったの!?」
調べてみると、たしかに
2013年1月1日未明に臨時メンテナンスがあった。
元日から臨時メンテナンスのあるマビノギ。
それはもはや不具合ではなく、一種のパフォーマンスのようであった。
あすさん「また2013年が…我々のもとに訪れるでのでしょうね…。」
明海「またってwwwwあすさん今日もおかしいよ??????」
凛「あすさんはいつもおかしいよwwwwwwwwwwww」
牛岡「これこそあすさんだよ」
凛「福袋の中身みんなで食べましょう」
あすさん「食べ物なんか入ってるの?!?!」
明海「(ヾノ・∀・`)ナイナイ」
牛岡「俺は牛乳10セット出たが」
あすさん「どこのグリニスのアルバイトだよ…」
凛「僕はチキンヌードルコンソメでしたwwwwwwwww」
あすさん「……………」
そうだ。もし2013年なら
AP2倍イベントの最中であるはずだ。

忌まわしいサンタ服を着ることで4倍になる恐ろしいイベントである。
凛「AP4倍なんてwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
明海「この世の終わりじゃないwwwwwwwwwwwwwww」
牛岡「あすさんは幻覚でも見てるのか?」
あすさん「………どうなってるんだ」
すべては昨夜のカウントダウンから始まっている。

ダンジョンいる方も、2013年の始まりを祝うためにウルラ各街に集まっていた。
影ミッションやフィールド、演劇、武道大会にいる人は除外されているようである。
こうして年越しをエリンで過ごした人に強烈な呪いが降りかかったのではないか……。
あすさんはふと自分の手元を見た。

そこには20年近く使い込んだWindows 95時代のキーボードがあった。
もし2014年なら、ここにあるのは

Happy Hacking Keyboardのはずである。
さらに芝生キーボードは影も形もなくなっていた。
2014年というのは誤りで、実は2013年が始まっていたのである。
あすさんは再び始まった2013年を前に、とりあえず服を着替え始めた。
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