大きな紙に大きく描け

一般的にノートはB5、コピー用紙はA4であることが多く、独学で絵を描こうとするとそれぞれの大きさに制限される場合があります。
事実、プロの製作過程でも「A4のコピー用紙」はよく使われる媒体であり、それに絵を描く人は多いのです。

小さく描く習慣が「手抜き」につながる。

授業中、ノートの片隅に描いた「落書き」をあとになって見直してみると、なんとなく見栄えがよかったという経験はあるでしょうか。
学習に使われるノートのサイズはA5、B5、A4がほとんどで、それより大きいサイズが使われることはまずありません。
そのノートの片隅に描くので、落書きは非常に狭い領域、つまり「小さく」描かれます。

小さな落書きというのは細部を描き込むことができないので、要領よく「省略」して描かれます。
その省略された絵、つまり細部を描いていない絵というのは、全体を大ざっぱに表現しているために
手の指や髪の毛などのディテールがなくてもよく、また、見直すときも特に意識を向けません。
そのような絵に慣れたり「これでいい」と思ったりすると、時間をかけて丁寧に描く作業に取りかかりにくくなってしまいます。

できるだけ大きな紙を使う。

コストを気にする場合、どうしてもノートはB5、コピー用紙はA4が有力候補になってしまいます。
それ以上でもそれ以下でも用紙の単価は上がり、コストパフォーマンスは悪くなるのが一般的だからです。

しかし、重要なのはコストを抑えることではなく、絵を描くことです。
小さな紙に小さな絵を描くのは練習するのに難しいばかりか、省略したり手抜きをしたりすることを覚えやすく、
上達の妨げになってしまうので、たとえコストが高くても「大きな紙」を選ぶことが肝要です。

A3のスケッチブックはよい大きさであり、丈夫な表紙と十分な枚数(24枚)がつづられているので便利です。
さらに大きな紙ならB3のスケッチブックもよい選択です。
これは少し厚口の用紙で、20枚つづりになっています。
B3のクロッキーブックは用紙自体が大きく、絵をのびのびと描くことができ、
小さいクロッキーブックよりも消しゴムをかけることが負担にならないため、オススメできます。
枚数が60枚と多いため、スケッチブックよりもかなりの重さになります。

とにかく大きく描くこと。

大きな紙を前にすると緊張してしまう人がいますが、そこに小さな絵をびっしり描いていてはいけません。
1枚につき1つ、大きな人物の全身をじっくりと描き込むことが一番の練習になります。

人物の「顔」や体の一部を小さく、隙間なくびっしり描くことがいいと思っている人もいますが、
どんなに数をこなしても一つ一つをきちんと描いていないのなら意味がありません。
一つの人物を紙いっぱいに大きく、じっくり、時間をかけて、細部まで手を抜かずに描き上げましょう。

(゚∀゚)カエル!