具体的な目標を掲げる専門学校にありがちな落とし穴。

ただ単に絵を描くことを「趣味」とする人がいる一方、それを「仕事」にする人がいるのも事実です。
「就職氷河期」の現代、趣味を超えて仕事とするのは決して容易なことではありません。
…いいえ、氷河期でなくとも仕事を得るのは決して容易なことではないのです。

とりあえず「独学」は置いておき、「大学」と「専門学校」でよく話題になることから紹介します。

学業の質や量、学費、学歴、資格、歴史、実績といった程度の差のあることはもちろん、
大学と専門学校には、通う人を選ぶ、さまざまな違いがあります。

一般に「大学」の入学試験のほうが難易度は高く、予備知識なしでは入ることもままならないのですが、
専門学校は入学試験自体がなかったり、高校卒業、あるいは中学校卒業という要件のみで入れるところもあります。

大学に通ったのはいいが中退したり、レベルが高そうに感じたりした人が専門学校に進もうとすることがあります。
「大学は広範囲の多数の知識、専門学校は狭くて深い知識を得られる」というのは間違いではありませんが、
後者がくせもので、実際、専門学校をめぐるトラブルがあとを絶たないのが現状です。

大学が比較的「教養」や「経験」といった概念を重視するのに対し、
専門学校では「実用」や「効率」を特に重視する傾向があります。

大学でももちろん実用的な教育や効率的な学習を行ってはいるのですが、
専門学校は基本的にそれが売りの環境で、セールスポイントが根本的に違うのです。

学校なのにセールスポイント?」と不思議に思うかもしれませんね。
学校とはいえ企業です。学費を払ってくれる生徒は「お客様」のようなものなのです。
お金をもらう代わりに授業や講義をし、学校の施設や機材を提供しているのです。

ゲームやアニメーションの会社に就職するという具体的な目標を掲げている専門学校は多数あり、
現場で求められる知識や技術はもちろん、業界のマナーやニーズなどを集中的に学習できるとし、
専門学校の中であたかもゲームやアニメーションの会社を再現し、雰囲気を演出しているかのような
学校も少なくありません。

この、いかにも「本物の臨場感を味わえる環境」というのが実は落とし穴なのです。

というのは、専門学校の中でいくら現場をシミュレーションしたところで、本物の現場がそうであるという保証はまったくないため、
現場で教えを受けるべき重要なものをかえって習得しにくくなるというケースが多いからです。

むしろ専門学校での経験が悪影響をもたらすことがあるほどです。

それは専門学校の誇大広告ともいえるアピールや保証制度、学校の設備や講師のレベルの高さなどに「釣られた」生徒が
いつまでたっても「夢」を見続けていて、社会の仕組みやルールを十分に身につけないまま卒業し、
就職活動に際してもそこから抜け出せず、まったく異なる進路に進むか断念せざるを得ない例が、実績として
企業にも知れ渡っているからなのです。

一方、大学は専門学校ほど単位や卒業の資格を得るまでの過程が甘くはなく、成績や素行の悪い生徒は
学校側から切り捨てられることもあるため、大学で一定の評価を得るということはその分野の実力だけでなく、
一人の人間としてのステータスも高いということになり、結果的に採用率が高くなっています。

刑事ドラマを見て、本物の警察官もそうだと思うのは大きな誤りです。
学ぶべきものは現実であって、現場を再現することではないのです。

……

「芸大予備校」やデッサン教室というのは、基本的にはデッサンと色彩についての基本を学ぶだけです。

「専門学校では専門的なことを勉強するのに、どうして今さらデッサンなのか?」と思う人は多いと思います。
それは、絵を描くのに大切なのがデッサンだからです。
必要なのはデッサンを描く力であって、コンピューターを操作する知識ではありません。

芸大予備校、つまり芸術大学の入試でPhotoshopを用いた彩色や、Mayaを用いたモデリングなどは出てきません。
はっきり言ってソフトウェアやその扱い方は就職するときに学ぶことであり、絵の勉強をするときに習得することではないからです。

ここまでの文章を読むと、まるで専門学校を否定しているように感じられるかもしれませんが、決してそうではありません。
「専門学校の誇大広告には気をつけてほしい」、ということです。
また、大学が必ずしも優れているという意味でもありません。

「絶対合格できる」とか「絶対就職できる」なら誰でもそれを選びます。
そんなものがこの世にあると思いますか?
あったとしても、誰でもできることに価値ややりがいを感じますか?

どうか誤解のないように、真剣に自分の進路を考えてくださいね。

(゚∀゚)カエル!