マナビノギ

マビノギハァンタジーライフ

あすさんの家庭教師あすさんを学校へ持込むことを許された明海はものすごい勢いで登校の準備を始めた。回避や緊急脱出B爆弾を連打しながらマビノギをログアウトする。



凛明海さん…張り切ってるなぁ…



牛岡俺たちもこのまま登校するか。





執事驚きました。お嬢さまが学校へ行く気になられるとは。



明海遅~い!!もっとスピード出ないの!?



執事はい。すでに300キロ出ております。



明海512メガぐらい出ないの!?



執事……申し訳ございません。





あすさんの家庭教師スピード違反の明海専用車はわずか3分で自宅に到着し、音速のエレベーターで学用品の置いてある77階まで駆け上がった。


明海うえええ…ものすごい重力だわ…



執事そうでございましょう…。
加速度は重力と等価でございますので……。


明海マビも重たかったけど、まさかエレベーターでも体験することになるとはね…。ちょっと休憩してから行くわ。


執事では、マビノギのサーバーを強化するよう、私から進言してまいりましょう。


明海ん。頼んだわよ。





明海はふと、部屋にあすさんがいないことに気づいた。


明海「ああああああああああああああああああああああああああ」
執事「ど、どうなさいました!?」
明海「あすさんが!!!!!!!!!!!!!!!!!」
執事「は…」
明海「ネカフェ!!!!!」
執事「もしや……お忘れになられたのですか…」
明海「どこかで落としたとか!?!?」


普段は白い粉あるいは錠剤の形態になっているあすさんは、あまりにもコンパクトなために紛失しやすいのである。

明海「ったく!!インプみたいなんだから!!」
執事「私、探してまいります」
明海「ああ、薬局で買ってくればいいから!」
執事「ですが…アスピリンの需要はイブプロフェンに押されて…」
明海「いいから買ってきなさい!」


明海は声を荒らげて登校の準備に取りかかる。


執事「ああ…どうすればいいものか…お嬢さまはアセチルサリチル酸をaspirinさまであると思い込んでおられる…。あのような物質、いえ、お方の代わりになるものなどないというのに…」
明海の母「何かあったの?」
執事「ああ、奥さま、実はお嬢さまが………」



明海の母「それで、どこで紛失したか覚えてないと?」
執事「ええ…おそらくネットカフェを出る際に落としたと思われるのですが…」
明海の母「では、大至急そこを探すわよ」
執事「はい、ただちに」
明海の母「……酔っ払って落とした、なんてことはないわよね? スピードの出しすぎとか」
執事「は、はい! も、もちろんでございます…」


鋭い明海の母の指摘を受けて動揺する執事は、安全運転でネットカフェへ急行した。


明海の母「鎮痛剤なんかに代えられるものじゃないわ。鎮痛剤なんかに…」
執事「ああ…ネットカフェでいったい何をなさっていたのか…」
明海の母「急に学校へ行く気になったなんて、かえって不自然だわ」
執事「学校の環境が急によくなったとは思えません…」
明海の母「あの子、何か幻覚でも見たのかしら……」
執事「………申し上げにくいのですが、実は、その………」
明海の母「マジックマッシュルームですって!?」
執事「はい……。ゲームのお話かもしれませんが、何度もマジックマッシュルームの話題で盛り上がっておられました……」
明海の母「それはマビノギでしょう?」
執事「そうでございます」
明海の母「心配ないわ。どうせアイバのことよ」


明海の母はいつも娘からマビノギの話を聞かされていたのである。

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この記事へのコメント

0 フンイキー 2021年00月00日 --:-- ID:manabinogi
私はフンイキー!ただのムードメーカーよ!
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