たとえば上の画像のバステトは

　私って幼く見えのかな～？

　と質問を投げかけています。


　彼女は明確な答えを求めていると思いますか？

　それとも単に共感を求めているのでしょうか？








　このイルレインの場合はどうですか？

　あっちょっと太ったかも…？

　という質問に対し、「太った」「太っていない」「わからない」などの形式で答えることは適切でしょうか？

　それとも「マビの体形は食事をしない限り変化しない」と答えるでしょうか？




　このように、「質問」といっても明確な答えのない、また質問者もそれを求めているわけではないものがいくつも存在しているのです。





　武器はファーガスで修理できますか？

　6週間より早く転生できますか？

　携帯電話でマビノギをプレイできますか？

　ボイトはどこにいますか？


　このような質問には明確な答えがあります。


　武器はファーガスで修理できます。ワンドはできません。

　2週間で転生できます。有料のキャラクターカードが必要です。

　携帯電話ではマビノギをプレイできません。インストールすら不可能です。

　ボイトはコール村にいます。


　では次のような質問はどうでしょうか。


　最強の武器を教えてください。

　どのギルドに入ればいいですか？

　自分のパソコンでマビノギをプレイできますか？

　どうすれば結婚できますか？


　「最強の武器」というのは、まず「最強とは何か」を考えるところから始めなければなりません。
　エルシノアソードが最強といっても魔法使いからすれば最強ではないし、ブロードアックスが最強といっても人間やエルフは装備できないし、練習用木刀がコストの面で最強だったり、ウィングボウが有効射程で最強だったりと、いろいろな意味で「最強」といえるものが存在するからです。

　「どのギルド」というのは、もうその人の好みや相性の問題としか言いようがないため、他の人のいかなる評価も確実ではなく、誰かの判断で決めることはほとんど不可能です。

　「自分のパソコン」がまずどんな機種で、どんなCPU、OS、メモリの容量、といった情報を知らせない限り、それでマビノギをプレイできるかどうかを答えることはできません。

　結婚の「手順」についてはイメンマハの大聖堂やフィリア、バレスの結婚式場を答えることができますが、実際にその人が「結婚できるかどうか」については、明確な答えがありません。




　さて、先ほどのNPCの例のように、明確な回答を目的としていない質問は、意地悪な見方をすれば「回答者に対する嫌がらせ」とも取れますが、ちょっと待ってください。

　質問という「体裁」を保ってはいても、その本当の目的が「話題づくり」や「意見交換」といったコミュニケーションにあるとすれば、「質問」という型にとらわれることは妨害的に作用しやすくなります。

　これらのことが、明確な答えのある質問は「知識王」で、明確な答えがなくアンケート的なものは「自由掲示板」で、といわれる理由です。


　ところが「知識王」はマビノギが始まって以来ほとんど、サーバー管理者による質問と回答の編集が行われておらず、すべて利用者の操作とモラルに委ねられているという大変難しい状況にあります。

　この「ユーザー任せの掲示板」の管理体制に大きな問題があり、実質的にデータベースとしての利用ができないに等しい状態になっています。



　一見「質問」という形式であっても、その実、プレイヤーとの意思疎通や話題提供をしているものが少なくない現状で、知識王に累積された投稿を吟味したり整理したりする管理者がいないのなら、わざわざ「質問掲示板」として用意したり、ユーザーの判断でそこへ誘導したりするのも能率的ではありません。

　ゲームと関係のない話題で盛り上がることが多いのは、掲示板の管理が「削除」しか行われていないのが原因です。
　管理者がもっとユーザーに介入し、適切に導くことをしない限り、掲示板という媒体は必ず荒れていくのです。


　ゲームの世界はもっと自由であってもいいのですが、管理を怠ってはいけないのです。