マナビノギ

マビノギハァンタジーライフ

サラセニアの花をよく観察

毎年恒例に近い行事となっているサラセニアの開花に伴う人工授粉。

ブログでもときどき記事になっている食虫植物です。
魔法の豆が育つダンジョンのボス「グリーンサラセニア」のモデル(?)です。

いや、あれはただのスケルトンゴーストか。



サラセニアのつぼみ

1ヶ月前の4月10日。
サラセニアの根本からミズゴケをかき分けて伸びてきたつぼみ。



伸びてきたサラセニアのつぼみ

5月の初め。
2つのつぼみがぐんぐん伸びてきました。



サラセニアのつぼみ5月

常に下を向きながら上へ上へと伸びていくつぼみ。
ミズゴケいきいき

ミズゴケの状態もよく、活き活きとしています。







サラセニアのつぼみ5月2

見ての通り細くて折れやすいので、この時期に強風にあおられると………

残念なことになります。







サラセニアの開花

実はこのサラセニアは私が以前、人工授粉して結実させた種子から生育した株なのです。

この花自体が自宅の環境に適応しており、オリジナルとはちょっとだけ異なる品種ということができます。







にょきにょきサラセニア

とても赤くてカッコいい花を咲かせてくれました。







サラセニアの花をよく観察

人工授粉に必要なのは綿棒だけ。
生地用麺棒ではありませんよwwww

綿棒です。







見上げるサラセニア

ちょっと知識がないとサラセニアの花がどんな構造になっているのかさっぱりわかりません!







変化しているサラセニア

指でつまんでいる部分が「がく片」。
その下に垂れ下がって見えるのが「花弁」、
花弁と対照的に上向きにかみ合っているのが重要な「めしべ」の一部です。


サラセニアは虫媒花なのですが日本にはその虫がいないため、そのままでは受粉しません。
そこで人工授粉というわけです。







サラセニアの花をめくる

花弁をめくり上げると、これまた重要な「おしべ」の一部が見えます。
写真からは見えませんが「胚珠」の周りをおしべが覆っており、
先端の「やく」には花粉がびっしりとついています。

花粉は自然に落下し、皿状のめしべにたまるようになっています。


しかしそこに受粉するわけではありません。







花粉全体

写真中央、受け皿となるめしべの底に黄色の花粉が落ちているのが見えるでしょうか。

ここに綿棒を挿入して花粉を採取します。







花粉

拡大したところ。
花を傷つけないように綿棒を挿入します。







めしべをつかむ

花粉をどこにつければいいのか。知識なしでは場所が本当にわかりません!
今めしべをつかんでいます。







めしべを裏返す

めしべをめくってみると……

自分の指が邪魔でこの角度では写真が上手く撮れない……







めしべが見える

はい、これです!!!!!







突起

この小さな突起がめしべの頂部、「柱頭」なのです。

花粉のついた綿棒の先端をここにこすりつけることで人工授粉は完了します。



柱頭の場所が意外すぎる……
花粉の受け皿から離れているので、たしかに自然には受粉できそうにない……

柱頭は星型のように先端に5つあり、それぞれに花粉を付着させます。

本当は別のサラセニアと交配させたかったのですが、
開花している株をそう都合よく入手することができません\(^o^)/




サラセニアの人工授粉は容易で、種子もたくさんでき、発芽率も高いので
食虫植物好きでなくとも面白い花だと思いますよ(・∀・)
開花が5月ごろなので夏休みの自由研究には使えないか……

特別なスキルや資格もいらず、水をためる受け皿と日当たりのいい場所があれば簡単に育ちます。
耐暑性も耐寒性も高く、37℃の炎天下でも氷点下でも枯れたことはありません。
ただ水が切れるとだめです。 


いつか突然変異でピンク色のサラセニアを……


人間と植物の関係って面白いですよね。

人間の興味本位から乱獲され絶滅する品種があるかと思えば、
同じ興味本位でこうして受粉に成功し子孫を残す品種もある。

本来ならば自生していない国や地域へ人間が運び、
人間が世話をし、人間が生殖の手助けをし、新しい品種まで生まれている。

サラセニア「やったぜ」
サラセニアの子孫「やったぜ」


人間の活動は結果的に迷惑や害悪をもたらしてしまうことも多いのですが、
自然は人が思っている以上に寛容であり、柔軟性に富み、再生する力を持っています。
人は自分の形質や様相を短期間で変えることはできませんが、経験から学ぶことができ、
またそれを他の人に伝える特権を持っています。
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この記事へのコメント

0 フンイキー 2021年00月00日 --:-- ID:manabinogi
私はフンイキー!ただのムードメーカーよ!
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